圭流ファシリテーションのツボ、
今回は、「プロセス」について。
学びの中で重視したいことは、
知識を得ることだけではなく、
考え方を学んでいくことだと思っています。
僕はファシリテーターとして心がけていることは、
講座の最中に質問されたときなど、
即答することを避けるようにしています。
なぜ、そんな疑問を持ったんだろう?
なぜ、そのことを知りたいんだろう?
それを知って、どうしたい(なりたい)んだろう?
といったことを、投げ返してみます。
別に、意地悪をしているわけではなくて、
もっと考えてほしいと思うから。
そうやって、もう一段先の思考に進みながら、
疑問を自分事にしていく。
これが大事なのです。
これが、facilitation。
インストラクターの言うことを、
そのまま覚えていく作業なら、
誰でもできます。
それで、本当の学びになっているかを考えてみてほしい。
わかったつもり、
勉強したつもり、
“つもり”になっていて、
翌週には忘れてしまっている。
そんなことはないでしょうか。
それは、すでにできあがったものを
伝えている(伝えられている)から起こること。
これが、instruction。
ここでの“伝えられていること”というのは、
過去にできあがった「結果」だから。
過去であって、いまではない。
いまのあなたのためではなく、
過去のインストラクターのために、
できあがったもの。
インストラクターがものすごく輝いていて、
その人のコピーになりたいのならば、
それでもいいでしょう。
だけど、それは、あなたでなければならないことは、
なにひとつない。
もっといえば、他の誰とでも交換可能。
講師の側からすれば、
「かたち」に受講生を当てはめるのではない。
人に、かたちを合わせてつくりあげていくことでもあります。
参加者の側からすれば、
ただ、与えられたものを得るのではなく、
自分事として学んでいく過程の中で、
自分らしさにも気づいていくプロセス。
ここが肝心ですね。
instructionは、すでにできあがったもの、結果。
facilitationは、つくりあげていくプロセス。
知識を、行動につなげていくことが大切です。
知識だけでは不十分なのです。
知識すらないのは、もちろん論外。
知識を得ていく上での、プロセス。
ここも意識してみましょう。