「スタートの一歩目を、速く出たいねん」
先日、久しぶりに親子でトラック練習をした。
スタートダッシュを重点的にやりたくなって、
僕も、8か月ぶりにスパイクを履いてみた。
そんなときに、小学生のわが娘がポソっとつぶやいた。
「スタートの一歩目を、速く出たいねん」
一歩目か?
「うん」
なんで、一歩目なん?
「わからんけど・・・」
じゃあ、どうしようかな・・・
座ってるところから、
寝てるところから、
腕立て伏せの姿勢から、
普通にクラウチングから、
スタンディングから、
いろんな姿勢から、ダッシュしてみる。
反応するタイミングや、
一歩目の踏み出しや、
いろいろ考えながら練習するって、
楽しかった。
週が明けて、
日本選手権が近づいたこともあって、
山県くんの練習が公開された映像を見ることができた。
【山縣選手 公開練習】
昨日 #山縣亮太 選手のメディア向け公開練習が雨の中行なわれました。
今週末の #日本選手権 での快走にご期待ください!!#Seiko #ただの数字じゃない #ナンバーワンしかいらない pic.twitter.com/7Sv6u0LQMu— セイコースポーツ (@sports_seiko) June 19, 2017
驚いた。
スタート一歩目が、めちゃくちゃ速い。
スターティングブロックを“支点”にするのではなく、
踏み出した一歩目を“起点”にして、
飛び出していくように見られた。
今シーズン、足首の故障で出遅れているといわれているが、
それだけ、一歩目の“起点”に負荷がかかってるのだろうと予測する。
それだけ力強く踏み出せていることの証でもあるかもしれないと思う。
僕にとっては、
この子がうちの娘でなかったら、
そしてあの一言がなかったら、
そこまでの気づきはなかったと思う。
娘にとっては、
僕が父親でなかったら、
せっかく思ったことを、
トレーニングする機会がなかったと思う。
そして、そうやって、
誰からも教えてもらわずに、
埋もれてしまう小さな才能があるのかもしれないと思う。
僕にとっての、一歩目の“起点”。
小さな才能が埋もれないための環境を、
大人たちがどうやって整備していくのか、
考えてみたい。
新月の願いごと。
決めたら、きっと、動き始める。