え? どういうこと?
かわいらしい顔した女優さんが「おっさん」やなんて・・・。
タイトルに魅かれてページを開いてみたら、
止まらなくなった。
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人間は本当に大変だ。
仕事だけしてたら具合が悪くなるし、
遊んでばっかりいたら頭が悪くなるし、
寝てばかりいたらスタイルが悪くなる。
ちゃんとバランスを取らないと、いろいろ悪くなる。
なんてやっかいな生き物だろうか。
(P.129)
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すごくリズム感があって、テンポがいい!
「横断歩道に転がるフランスパン」への語りかけ、
「掃除機の一つも買えない私」の描写、
〈あんかけパスタ〉に見る、名古屋人のチャレンジ精神への称賛、
「会話ができる猫」の夫婦喧嘩という設定の妄想ストーリー、
などなど、
とにかく、おもろすぎる。
昨年も200冊を超える本を読んだけれど、
純粋に楽しめるという意味で、
紛れもなくマイベスト10に入ってくる。
女優・水野美紀さんの
『私の中のおっさん』
話題が、魔法のクスリのことになっても、
この人が書くとサラッとしてるんだな。
「話にはよく聞くがこれまでお世話になることのなかったあのステロイド。
効き目はすごいが身体には悪いというあのステロイド。
とうとうそのステロイドのお世話になる時が来てしまった。」
なんてあっさりとしてるんだろうと感心します。